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登場キャラクター秘話 ② 蒼井 シチカ

カテゴリ:ニュース ,藍色少年少女

【蒼井 シチカ】

 

 ” わたし、ちゃんとした大人になれるかわかんなくて・・・怖くて・・・だから・・・

 

 福島から「保養活動」にて訪れる少女「蒼井シチカ」は、ふじのキッズシアター所属の三宅花乃ちゃんが演じています。普段は元気いっぱいの彼女なのに、慣れない初期撮影時は終始照れ続けていた花乃ちゃん。それでもスタートが掛かれば誰よりも全力でシチカの想いを発揮し、撮影が進むにつれ「シチカ」をその身に染み込ませていきました。

 

 「シチカ」は漢字では「七花」と書き、響きの良さで選びました。そして「花」を名に持つ花乃ちゃんが実際に演じる事になり、その奇縁に喜びも感じました。しかしこの「七花」の大元は「七花八裂」という四字熟語からでした。その意味は「花びらが中心から分かれるように、ばらばらと砕け散ること」。それは大震災で見た惨状だけでなく、散り散りに各地から疎開していく様、人心の有り様を狂おしく見つめた私の中で芽生えた言葉でした。

 原発事故以降の福島では様々な動きと思惑とがありました。それらを責めるつもりはありません。しかし大人のどんな姿をも子供は必死で見つめています。

 映画内で「シチカ」が語る言葉はすべて実際の福島の子供たちが「保養活動」に訪れた際に語ってくれた内容をそのまま使っています。彼らは大人になる未来の事、今ある恐怖、「死」の事を眼前に置いていたのです。しかもそれは諦めからではなく、一生命として抗う為にです。答えを見つける術は分からなくとも…。

 「シチカ」は被災者や福島の声を代弁するだけの存在ではなく、「成長を叫ぶ子ども」の象徴です。状況、周囲の変化、難問に対して、怖くても強くなくても、経験値少なく慣れなくとも、ただ今出来る事を必死に考えて歩み出す、子供の真の姿。それを私はあえて「シチカ」に背負わせたいと考えました。

 

 「シチカ」は人間の真の強さを持つ「テツオ」と出逢い、旅をしていきます。そして学び、時に涙し、いつの日か世界に蔓延する恐怖を乗り越え、結実するでしょう。そして子供は大人になり、少女である「シチカ」もいつかは子供を成すのでしょう。「蒼井シチカ」はそんな私の子供への願いのたくさん詰まったキャラクターでした。

(監督 倉田健次)

 

藍色少年少女

藍色少年少女「蒼井シチカ」

 

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