お知らせ
ホーム > お知らせ > ニュース > お知らせ > 登場キャラクター秘話 ⑦ 佐藤先生
登場キャラクター秘話 ⑦ 佐藤先生
【 佐藤先生 】
“ これは・・・キミたちにはまだ分からない愛の世界なんだよ! ”
主人公「テツオ」や仲間達の担任教師であり、芸術家「タヌマ」とも親交ある佐藤先生を演じるは、俳優・ミゾモト行彦さん。私の監督した短編『誘拐の午後-Kidnap Tale-』(2013年)では『藍色少年少女』の狂気な笑いを魅せる佐藤先生とは真逆の、自虐と後悔を背負い続けた主人公を演じており、ある意味カメレオン的多才さをお持ちの方でもあります。
「佐藤先生」の名は、モチーフである原作『幸せの青い鳥』でチルチルとミチルの旅に同行する仲間「砂糖の精」から来ています。同行するイヌやネコ、火、水、光、パンの中で「砂糖の精」は一番の怖がりという設定でしたので、そっくりそのまま頂きました。「パンの精」に相当する「タヌマ」と同様に、「テツオ」「シチカ」を支える立ち位置として想定しましたが、なんだか映画内ではテツオ達に一番救われた人間にも映るかもしれません(笑)。
「佐藤先生」のキャラクター像は、実は演じたミゾモトさんとシナハンをしていた際にほぼ固まりました。良いロケーションに出会う度「ここに病弱な教師(自分)が座って、愛する女性を待ちながら…」などという妄想を次々膨らませてくれるミゾモトさんが本当におかしくて、その熱い提案が嬉しくて、「ならば、これはもうそのままやってもらおう!」と私は考えました。ある意味ヘンタイにも見えかねない「佐藤先生」ですし、昔の恋愛のアレコレや技法を2015年時点に当てはめれば「ストーカー」とも呼ばれてしまう時代ですが、人を好きになった後の行動など何処までもカッコいいモノではないはずです。だから私は『藍色少年少女』の中では「佐藤先生」をあの様に描きました。とはいえ私は「佐藤先生」を擁護する気はありません(笑)